「脂」という言葉から、どんな言葉を連想しますか?
不健康、肥満、生活習慣病…といった、マイナスなイメージの言葉が多いと思います。
実は、全ての脂が不健康な状態を引き起こすわけではないんです。
例えば、脂の中でも魚の脂は、健康にとってもいい働きをします!
今回はそんな「魚の脂」についてご紹介したいと思います。
目次
魚の脂はなぜ健康に良いの?

「あぶら」といっても、「脂」と「油」があります。
- 脂はマーガリンや牛脂のような個体の状態
- 油はサラダ油やオリーブオイルのような液体の状態
というように分類されています。
その脂(油)にも、種類がたくさんあります。
肉や魚の脂、マーガリン、サラダ油、オリーブオイル等、口にする脂(油)は多様です。
そんな中、魚の脂はどのような成分があり、どのような効果があるのでしょうか?
魚の脂に含まれる、オメガ3脂肪酸とは?
近年、健康界隈で話題になっているのが、オメガ3脂肪酸です。
ここで簡単に、オメガ3脂肪酸についてご紹介します。
- 食品中の脂肪の約90%を占める脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる
- 不飽和脂肪酸は、オメガ3、オメガ6、オメガ9といった種類がある
- オメガ3脂肪酸は、魚の脂や亜麻仁油に含まれる
- オメガ3脂肪酸には、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)がある
- DHAとEPAは、特に青魚に多く含まれています。
つまり、魚(特に青魚)の脂には、DHAとEPAという成分が含まれているんです!
これらは、人間の体内ではほとんど作ることができないので、食べ物等から摂取する必要があります。
では、これらはそれぞれどのような働きをするのでしょうか?
中性脂肪を低下させ、肥満を防止!
魚の脂に含まれるEPAには、中性脂肪を低下させる機能が確認されています。
中性脂肪は、私たちのエネルギーの源としてとても大事なものですが、
余ってしまった中性脂肪は皮膚の下や内臓の周辺に蓄積されます。
お酒をよく飲む人や、甘いものをよく食べる人は、中性脂肪が増えやすいので、
そういう人は、中性脂肪を低下させるEPAがとても効果的です!

脳が活性化し、情報伝達がスムーズに!
DHAには、脳を活性化させる作用が確認されています。
脳内において、情報が伝達されるのをスムーズにすることができるんです。
これにより、記憶力の向上が期待できるんです!
資格取得のために勉強していたり、物忘れが多くなってきたな…と感じている人は、
魚を食べて脳を活性化させましょう!
実はこころの健康に有効!? うつ病予防にも期待
国立研究開発法人国立長寿医療研究センターによると、
近年、魚介類から摂取できる栄養素の「ドコサヘキサエン酸(DHA)」や「エイコサペンタエン酸(EPA)」)が「うつ病」の予防に対して有効であるといわれています。
引用元:国立長寿医療研究センターHP
とあるように、「うつ病」の予防に効果があるかもしれないことが分かっています。
うつ病については、厚生労働省によると、
精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成26年は392万人、平成29年では400万人を超えています。
内訳としては、多いものから、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などとなっており、 近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。引用元:厚生労働省HP
というように、近年、うつ病患者の著しい増加がみられます。
現代に生きる私たちとしては、魚を食べることで、うつ病の予防になるのだとしたら、
積極的に魚を食べ、DHAやEPAを摂取していきたいですよね。

花粉症の改善にも効果が!
順天堂大学の研究によると、新たな事実が判明しました。
順天堂大学大学院医学研究科 生化学・細胞機能制御学の横溝岳彦教授と、眼科学の平形寿彬、松田 彰准教授らの研究グループは、魚油や亜麻仁油に豊富に含まれるDHAやEPA、α-リノレン酸といったオメガ3脂肪酸の食事摂取がアレルギー性結膜炎(花粉症)を改善させるメカニズムの解明に成功しました。
引用元:順天堂大学HP
つまり、DHAやEPAは、花粉症を改善させる効果があるんです!
花粉症患者が増加しているこのご時世、それを軽減させる効果がある食べ物には
とても期待が寄せられると思います。
毎年、花粉に悩まされている人にも、魚の脂はおススメなんです。
実は朝に食べた方が効果的!? 摂取のタイミングにも注目
国立研究開発法人産業技術総合研究所とマルハニチロ株式会社の共同研究によると、
今回、DHAやEPAなどの機能性成分を含む魚油を、マウスに朝食あるいは夕食とともに摂取させたところ、朝食時の魚油が、果糖の過剰摂取によって引き起こされる脂質代謝異常を、より効率的に改善することが分かった。また、朝食時の魚油の摂取が、夕食時の魚油の摂取よりも、血中のDHAやEPA濃度を高める効果があることも確認できた。
引用元:産業技術総合研究所HP
ということが分かりました。
つまり、マウスの実験では、夕食時よりも朝食時に魚の脂を摂取した方が、
DHAとEPAをより効率的に摂取できたということです。
もしかしたら、私たち人間でも、同じことが言えるのかもしれませんね。

- 中性脂肪を減らし、肥満防止に効果
- 脳が活性化し、記憶力が向上!
- うつ病や花粉症といった近年増加する問題の解決策として期待
- 夕食より朝食で食べる方が、より健康的!?
オメガ3脂肪酸を簡単に摂取するおススメの方法をご紹介

魚の脂に含まれる、EPAとDHAが健康にとてもいいということをご紹介しました。
しかし、とはいってもそれぞれ魚から摂取するもの。
あまり日持ちしない魚を買ったり、料理するのが面倒…という方のために、
いくつかおススメのものをご紹介していきます!
簡単に魚を食べられる! サバの缶詰
サバの缶詰は、サバの水煮を缶詰にしたものです。
すでに一度熱を通しているものなので、そのまま食べることもできます。
また、トマト缶と一緒に煮るだけで、簡単にパスタソースを作ることもできます。
魚の中でも、青魚はEPAとDHAを多く含むので、数ある魚の缶詰の中でも、
青魚であるサバの缶詰は、特に健康のためにおススメできます!
水と一緒に飲むだけ! サプリでオメガ3を摂取!
こちらは、EPAとDHAをサプリにしたものです。
魚を使った料理をする手間がない…というような方におすすめです。
水と一緒に飲むだけで、簡単にEPAとDHAを摂取することができます。
魚の脂の部分だけを抽出したようなものなので、
魚そのものが苦手だ…という方にもおすすめできます。
- サバの缶詰で、おいしく簡単にオメガ3脂肪酸を摂取!
- 忙しい人には、サプリで摂取するのがおススメ
まとめ
日本人の魚離れが進む一方で、世界的には健康ブームの影響で魚食が拡大しています。
「魚の脂」という言葉からは、マイナスなイメージが浮かびがちです。
しかし、今回ご紹介したように、魚の脂には、
- 中性脂肪を減らし、肥満防止に効果
- 脳が活性化し、記憶力が向上!
- うつ病や花粉症といった近年増加する問題の解決策として期待
といった、健康への効果がある、オメガ3脂肪酸が含まれています。
なかなか普段の食事で魚を使いづらいときでも、
缶詰やサプリ等を使えば、オメガ3脂肪酸を摂取することができます。
より健康的な体作りのため、自分に合った方法で、
魚を取り入れていくことをおススメします!