皆さんはバレエと聞くと何を思い浮かべますか?
キラキラした衣装と優雅な踊りでしょうか?
何となく、『裕福な家庭の女の子の習い事』というイメージもありますよね。
確かにそういった側面もありますが、
最近では健康の為に、大人になってからバレエを習い始める人も増えてきているそうです。
そこで今回はバレエが健康にどういった効果をもたらすのか調べてみました。
目次
バレエってどういうもの?

バレエというと、どうしてもあの独特の衣装とシューズが思い出され、
実際のところ、どういうものなのかはっきり説明できない人も多いのではないでしょうか?
まずはバレエについて調べてみました。
バレエ500年以上の歴史!
バレエは今から500年以上前のルネッサンス期のイタリアで、
貴族たちが宮廷の余興で踊り始めた事が起源だと言われています。
その後イタリアからフランスに伝わり、ルイ14世がバレエに熱中し、質の向上の為に、
『王立舞踏アカデミー』を設立しました。
その後、バレエはロシアに伝わり、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』などの、
今でも絶大な人気を誇る演目が出来ました。
また、バレエといって思い出される丈の短い衣装は『クラシックチュチュ』といって、
この頃から着られるようになりました。


クラシックチュチュが現れる前は、ロマンティックチュチュと呼ばれる足元だけが見える長い衣装で踊られていました。
バレエの振り付けは伝統
バレエの振り付けは、その演目によって細かく決められているそうです。
先ほど紹介した、白鳥の湖などが出来たのは今から150年位前ですが、
なんとこれらの振り付けはずっと受け継がれてきていて、
演出家によって若干のアレンジはあってもほとんど変わる事がないそうです。

バレエは全てのダンスの基本
ダンスというと、ジャズや社交ダンスなど色々とありますが、
バレエはそれらの全てのダンスの基本だと言われています。
フィギュアスケートの選手や新体操の選手もバレエのレッスンを受けますし、
最近海外では、ストリートダンスなど一見バレエとは遠いダンス界でも、
パフォーマンスの向上の為にバレエを習うようになっていると言われています。
これは、ダンスをするのに大切な体の軸などを鍛えるのに、
バレエのレッスンが最適だと考えられているからです。
- バレエの起源は500年以上前のイタリア。
- 3大バレエと言われる「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」ができたのは150年前。
- バレエの振り付けは長い年月受け継がれた伝統
- 全てのダンスの基本と言われるバレエ。フィギュアスケートや新体操でも取り入れられている。
キッズからシニアまで! バレエが人気の理由って?

イタリアから始まり、フランスで盛り上がりロシアで成熟したバレエですが、
今ではバレエはダンサーだけのものではなくなりました。
子供からお年寄りまで楽しめる習い事として人気が出た背景には、
バレエが何歳から始めても体に負担なく楽しめるという事にあるようです。
身体の柔軟性を高める
バレエには体の柔軟性がとても大切です。
柔軟性が良いと体の可動域が広がり、手足が長く見え伸びやかに使えるからです。
体の可動域というのは、関節の動く範囲の事です。
関節の動く範囲はどの人もほぼ同じなのですが、運動不足などで徐々に狭まってきてしまいます。
バレエのレッスンでは狭まってしまった可動域を広げる事が出来るのです。
関節が自在に動くとケガをしにくくなるというメリットがありますし、
体を柔らかくする事は、実は年齢問わず可能なのです。
有酸素運動で血行が良くなる
バレエの公演はだいたい上演時間が2~3時間です。
ダンサーはこの長時間をほぼ踊り続ける事になるので、必然的に有酸素運動で心肺機能を高める必要があります。
さらに、細くしなやかな筋肉をつける事が大切なので、呼吸を意識したレッスンが行われているそうです。
有酸素運動をすると基礎代謝量があがるので血行がよくなり、
冷え性や更年期のホットフラッシュの軽減にも効果的だと言われています。
ホットフラッシュとは、急に顔が熱くなったり、のぼせや発汗が起こる更年期障害の代表的な症状をいいます。
筋肉を強化し美脚に
先ほど、有酸素運動で細くしなやかな筋肉をつくると紹介しましたが、
バレエダンサーの筋肉は、他のアスリートの筋肉とは付き方が違うそうです。
その理由は、バレエの基本的な動きに関係していると考えられています。
バレエでは常に、筋肉を伸ばしながら使います。
上半身を上に引き上げながら、腿の内側の筋肉(内転筋)や腹筋を使うので、
外側の筋肉が伸びます。
このため、バレエをすると筋肉質でありながらほっそりとしなやかな美脚を手に入れる事が
夢ではなくなるのです。
体幹を鍛えて腰痛予防に
バレエダンサーにとって体幹を鍛える事は絶対に大切なことなのだそうです。
バレエでは、回ったり跳躍する事が多いうえに、
ほとんどの動作を片足で行う事がとても多いのです。
ですので、体幹を鍛えないと美しく回る事や、高いジャンプの後に片足で着地する事ができません。
体幹を鍛えるというと、1番に思い浮かべるのは腹筋運動でコアマッスルを鍛える事を想像するのではないでしょうか?
もちろん、コアマッスルを鍛える為に腹筋をするのも効果的ですが、
バレエでの体幹というのは背骨を支える全ての筋肉を鍛える事を言います。
また、バレエのレッスンでは必ず左右の足を同じようにトレーニングしますし、
腹筋運動をしたら同じだけ背筋運動もします。
バレエで全ての筋肉をバランス良くトレーニングする事で、
腰痛を予防したり、転倒予防にも効果が出ます。
『バレエ立ち』で姿勢を美しく
バレエの基本的な姿勢は真っすぐに立つことです。
お腹とお尻を引っ込め背中を伸ばし肩を下げて、
『頭に糸を付けて上から吊り下げられているように。』意識する事が大切なのだそうです。
頭は体のなかで一番重い部分ですので、頭を上に引き上げるようにするには、
首や鎖骨、肩や背中の筋肉を使い続けていなければなりませんよね。
この『バレエ立ち』を続けると、自然に上体が鍛えられ、
スラリとした背中や、ほっそりした首や肩を手に入れる事ができるのです。

ロコモ予防に最適
ロコモティブシンドローム(運動機能障害症候群)という言葉を聞いた事がありますか?
加齢にと共に、骨粗鬆症や関節症などが引き起こされ、バランス能力や体力などが低下し、
動くことが出来なくなってしまう事を言います。
健康的な毎日や老後をおくるためにも、体が元気に動く事が一番ですよね?
最近の研究で、このロコモティブシンドロームの予防にはバレエが最適だと発表されたそうです。
上記で紹介したバレエをすることで得られるメリットや、
音楽に合わせて踊るという事がその理由だと考えられています。

- 体の柔軟性が高まる
- 血行が良くなる
- 筋肉が強化される
- 体幹が鍛えられる
- 姿勢が良くなる
- ロコモティブシンドローム予防につながる
チャレンジしてみたい? 自宅で出来るバレエレッスン

これまでバレエの健康効果をご紹介しましたね。
チャレンジしてみたいと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
でも、近くに大人からのバレエレッスンをしている教室がなかったり、
忙しくとても通えない、または、ちょっと恥ずかしくて…という方いると思います。
そこで、自宅でできるバレエレッスン動画やDVDをご紹介します。
Ballet yoga 家でバレエレッスン「ドゥミプリエ」
こちらはバレエヨガインストラクターさんの動画です。
この動画で紹介しているバレエの動作は『ドゥミプリエ』と言って次の動作をします。
- つま先を開いて真っすぐに立つ
- 上体を上に引き上げながら、膝を外側にむけて足を曲げる
かかとを床にしっかりとつけながら行うので、アキレス腱がしっかりストレッチされます。
さらに内腿を引き締めるので、美脚を手に入れる効果も期待できますよ!
バレエ初心者の為のバーレッスン
先ほどのドゥミプリエの動きを取り入れた、初心者さんでもチャレンジしやすい動画です。
自宅にバーのある人はあまりいないと思うので、家で行う時は椅子の背もたれを使ったり、
壁をバーの代わりにしても良いと思います。
この動画では『タンジュ』という動作がメインになります。
- 爪先を開いて立つ(1番ポジション)
- 前へタンジュ(膝をしっかり伸ばしながら足を前に出す。)
- ドゥミポワント、ポワント、ドゥミポワントという足の動きをする。
- タンジュ
- プリエ
- 同じ動作を横、後ろと繰り返す。
ドゥミポワントとは足の指だけを、ポワントは爪先だけを床につけた状態を言い、足裏の柔軟性を高めます。
この動作は、足の筋肉を伸ばして使うので細くしなやかな足を作るのに効果的です。
「フォンデュ」で脚とヒップと体幹を鍛える!
こちらもバレエヨガインストラクターさんの動画になります。
先に紹介した動画よりも少し難しくなりますが、体幹を鍛えるのに効果的です。
ここでは『フォンデュ』という動作がメインとなります。
チーズフォンデュのフォンデュと同じく「溶かす」という意味です。
バレエでは『溶けるように滑らかな動作をする』という意味になります。
一連の動作は、
- 1番ポジション(爪先を開いて立つ)
- ドゥミプリエをしながらクペ(動足を上げて爪先を足首に当てる動き)
- 動足をゆっくりと前に伸ばながら軸足も伸ばす。
- 動足をタンジュして1番ポジションへ戻る。
- 横、後ろと繰り返す。
フォンデュでは片足で立つため、バランスを保つのがとても難しくなります。
しっかりと腹筋を意識し、身体をまっすぐに保つことが必要になるので、
体幹が鍛えられ、さらに浮かせた足を曲げ伸ばしすることでヒップも引き締まります。
全身美人になる! バレエワークアウト
もっと本気で学びたい!という方にご紹介するのは、
『全身美人になる!バレエワークアウト』です。
こちらのDVDでは、床で行うバレエストレッチから始まり、
バーレッスン、踊りを使ったエクササイズとステップアップしていきます。
バレエ未経験の方にも、もちろんおすすめですよ!
- 内腿を引き締め美脚へ『ドゥミプリエ』
- しなやかな筋肉と足を作る『ダンジュ』
- 体幹を鍛える『フォンデュ』
- バレエワークアウトで全身美人へ
超本気で始めたい人へ! そろえておきたいバレエグッズ

自宅レッスンが物足りなくなったあなた!
いよいよバレエレッスンを受ける時がきました!
でも、まず何を揃えたらいいのでしょう。
必要な物、あったら良い物をご紹介します。
何がなくとも『バレエシューズ』
バレエシューズには、本革タイプとキャンバス生地タイプ、つま先の部分にだけ革が使われているものなどがあります。
- 本革タイプ…伸びやすく足になじみやすい。耐久性もある。
- 前革タイプ…特に負荷のかかる爪先部分に革を使っているのでキャンバスタイプよりも耐久性がある。
- キャンバスタイプ…足になじみやすく軽い。耐久性は革より劣るがどんな床にも対応できる。価格は低め。
どれが良いか迷ってしまいますが、最初は軽く価格が低めのキャンバスタイプが良いかもしれませんね。
また、バレエシューズにはソールが2タイプあります。
- フルソールタイプ…前から後ろまで一枚の革になっているもの。
- スプリットソールタイプ…前と後ろに分れていて、土踏まず部分に底がないもの。
始めてバレエを始める方は足裏の感覚が掴めるようになるまで、フルソールタイプが良いそうです。
最初は低価格で高品質なものがお勧めです。こちらの商品はフランスの舞踏ブランドのもので、品質が良く踊りやすいと評判だそうです。
バレエシューズは普通の靴とは違った形状ですので、近くに専門店がある場合はきちんとフィッティングしてもらう方がお勧めです。
ストレッチ性抜群のバレエタイツ
バレエでは足を高く上げたり、広げたりと足の可動域が広いことが重要になります。
また、足の裏に床を感じる事がレッスンでは大切になるので、
伸縮性が高いバレエ用のタイツを履くのがお勧めです。
バレエタイツもたくさんのブランドから出ていますが、こちらは伸縮性も良く丈夫と評判です。
タイツはちょっと・・という方にはバレエ用のソックスもあります。
レッスンをハーフパンツやヨガパンツなどで受ける方にはソックスタイプがお勧めのようです。
身体は冷やさない! あると便利ウォーマー
筋肉が硬くならない為にも、体温を上げ体が冷えないようにすることが大切です。
ここではレオタードを着てレッスンを受ける方向けにウォーマーをご紹介します。
バレエ用ニット
伸縮性があり温かい薄手のニットセーターです。
体を温める事はもちろん、「レオタードだけではちょっと恥ずかしい・・」という方にもお勧めのようです。
レッグウォーマー
脚を冷えから守る長めのレッグウォーマーです。
レッスンの妨げにならないように、伸縮性が良く、ぴったりとフィットするものを選ぶと良いそうです。
バレエ用ニットパンツ
バレエと言えばレオタードにスカートというイメージを持ちますが、
秋冬の寒い季節にはニットショートパンツが重宝しそうです。
伸縮性が良く、あまり厚手ではないものを選ぶと良いそうです。
- バレエシューズは最初は低価格で高品質の布タイプがお勧め
- ストレッチ性の高いバレエ用タイツ。ソックスタイプも。
- 体を冷やさないウォーマーは秋冬に重宝する
まとめ
何となく敷居が高かったバレエですが、近年は誰もが楽しめるワークアウトにもなりました。
大人になってから始めてチャレンジする人も、しばらくお休みしていた人も、
誰もがいつでも始められ、体に負担をかけないレッスンというのが人気がでた理由のようです。
- バレエの伝統と歴史
- 美しい身体を作る事ができ、ロコモ予防にも最適なバレエのレッスン
- 自宅でも可能なバレエワークアウト
- お勧めのバレエグッズ
上記を今回ご紹介しました。
さっそく近場のレッスンスタジオを探そうと思った方もいらっしゃると思います。
また、しばらくは自宅で練習してから・・という人もいますよね。
クラシックバレエは非日常的な空気に触れる機会でもありますから、ストレス発散にも良さそうです。
憧れのバレエで、健康的で美しいスタイルを是非手に入れてみて下さい!